2.162018
幸せは日々の中に。
少し前に紹介した知的障害者施設「鹿児島しょうぶ学園」の日常を映した映画が神戸でも公開されています。
題名は「幸せは日々の中に。(英題:while we kiss the sky)」。
思い思いに縫い物をしたり、木皿を彫ったり、絵を描いたり、園内のそば屋で給仕をしたりと、しょうぶ学園の自由な日常が綴られています。
「利用者を世の中に送り出す訓練をする施設ではあるが、つらく厳しい世の中に戻すことが本人にとって本当に幸せだろうか?閉鎖的な環境ではあるが、やりたいことをやれる場を提供することが本人にとっても幸せではないだろうか?」
という福森施設長の言葉が印象的です。
映画は、施設の職員・利用者からなる音楽隊「otto&orabu」の野外ライブで盛り上がりを見せます。
学園で自分たちが作った多国籍な衣装を身に纏い、顔にペインティングで化粧をしていくうちに徐々に皆んな興奮し始め、演奏が始まると少しずれたリズムが身体に染みて、不思議な高揚感が辺りを包み、会場が一体となっていきます。
映画を見終わった後、幸せそうにしたいことを表現する園の人達をみて少しうらやましく思いました。
副題にも「普通という曖昧な海を泳いでいるみんなへ。」とあるように、「普通」と呼ばれている僕たちが生きる「生きづらい世の中」おいて、「幸せに生きる」にはどうしたらよいのか? そんなことを考えさせられる映画でした。
(AT 神戸アートビレッジセンター ~2月23日まで上映)
(第一設計室)