11.32017
ニューロティピカルとエイティピカル
障害者支援施設の改修等に関わらせてもらっており、新しい拠点を探す際に周りの住民の反対にあうことを良く聞きます。
利用者さんに接する機会が増えるにつれ、今まで持っていた少し怖いという印象がなくなっていっています。
普段から当たり前に接する環境が進めば偏見もなくなるのかなと思っています。
常識を覆す福祉デザインを実践し、地域と密に交流している「鹿児島しょうぶ学園」の紹介です。
利用者さんの絵を大胆にペイントした地域交流の建物。ウキウキします。
ここでは、本人の自由意志を尊重し、商品生産のノルマとプレッシャーは職員が引き受けるという新しいシステムで魅力的な商品を作り上げています。
利用者さんの思うままに縫ったシャツ。「nui projyect」として、年に1・2回展覧会を行い、即日完売するようです。
自由な曲線が魅力な木製品です。
音楽プロジェクト「otto&orabu」です。全国に公演に出向き、葉加瀬太郎さん他有名な方ともコラボレーションをしています。
音やリズムが時折ズレますが、曲全体の不思議な空気感がなごみます。
施設長 福森伸さんの言葉にドキッとさせられます。
「ニューロティピカル(Nurotypical)とは、自閉症のアスペルガーというグループの人達から見た一般人(健常者)のことを指します。日本語訳では定型発達と訳されますが、非定型発達(エイティピカル(Atypical))の彼らから見ると、僕らは
”時々うそをつく”
”自分の都合によって真実を曲げる”
”流行に左右される”
などという特徴があるそうです。あちらから見れば、これって障害ですよね。」
「健常というと僕らが当たり前の基準だから、基準からズレているのは向こうに決まっている。でも基準からどんどんズレているのは僕らの方かもしれない。どんどん戦争もしているし、どんどんおかしなことをし始めている。」
「彼らは生活面ではできないことはたくさんあるけれど、非常に人間的で平和な生活を営むことが出来るという特長がある。我々はなんとかそれを見習うことは出来ないか。」
自分の価値観以外は認めず、攻撃して排除する現代の「不寛容社会」。
障害者(?)と呼ばれる彼らと普通に接する環境が進み、いつも笑って過ごせる「寛容社会」になればいいなー、と思っています。
(第一設計室)