築数十年を経過した既設工場のリニューアルと新たな事務所・工場棟の新築計画である。リニューアルは耐震性の向上と採光や空調といった作業環境の改善及び内外装の更新を主としている。また、新築棟は組織の改変に伴う人員再配置のための事務所スペースの再整備と、社員食堂や健康管理質・更衣室といった厚生施設の充実、及びロングスパンのエスカレーター製造拠点の整備を主目的としている。
平面計画をはじめとして、内・外観は彦根の本社「Big Wing」のイメージを継承して、シンプルで機能的な施設づくりを目指した。新築棟は、近隣への電波障害や日影等に配慮して、工場部分の床を5ｍ掘り下げ、建物高さを抑えている。
さらに新築工場棟と既設工場棟外壁は新旧共にガルバリウム素地板のスパンドレルを使用して、全体的な統一感を出しつつ、事務所棟部分はその他との機能的な差異をそのまま現し、全面ガラス張として、他の工場部分との差別化を図っている。また、ガラス張りの透明感ある外観イメージを内装にまで取り入れ、明るい執務空間を目指した。